腕時計の機能の一つであるムーンフェイズ。
文字盤内を鮮やかで華やかにするムーンフェイズの機能ってとても綺麗ですよね!
今回のブログではそんなムーンフェイズの合わせ方についてご説明させて頂きます。
購入時には説明を受けていても、いざ自分で合わせようとすると『忘れちゃった!触っちゃいけない時間帯ってなんか言ってたよな??』という事が有ると思いますので、そんな皆様の手助けになればと思います!
ムーンフェイズとは
ムーンフェイズ(MOONPHASES)を、日本語に直訳すれば”月の段階”です。
細かい説明は省かせて頂きますが、簡単に言ってしまえば、満月や三日月、新月など月の相を文字盤上で見る事が出来るという機能です。
機械式時計って小さな宇宙と言われることもありますが、文字盤上で月の満ち欠けを確認する事が出来るなんてロマンに溢れている機能だと思いませんか?
当店で扱ったことのあるムーンフェイズ機能を備える時計を一覧にしてみましたが、ブランドやモデルによって表示の位置、表示の方法、月の顔…などが様々あるので、いろんなものを見比べてみるのも面白いですよ
ムーンフェイズ合わせの下準備
参考とする時計
では本題に入っていきますが、今回のブログで合わせ方の参考にするのは、こちらのジャガールクルトのマスター ウルトラスリム ムーン Q1368471を参考にさせて頂きます。
最低限の機能と装飾に抑えミニマリズムを追及したのが、マスターコレクションとなり流行りに流されず飽きの来ないデザインは、まさにタイムレスな逸品と言えますね。6時位置には指針式のデイト表示とムーンフェイズ機能を備えています。
調整に使用する工具を用意する
ムーンフェイズは月が描かれた板が回転する仕組みになっています。
月齢を回し進めるためにはリュウズで操作するか、時計の側面などにあるコレクターボタンを押す必要がありますが、ボタンを押すには付属する専用の調整ピンか身近にあるもので代用する事になります。
専用の調整ピンとはこの写真のようなもので、新品で購入する際には必ず付くものですが、小さいモノなので紛失してしまったり、中古の場合は元より付いていない事もございます。
もし紛失してしまった!中古なので付いていなかった!という時にはどの家庭にもあり、無くても簡単に手に入れる事ができる爪楊枝をご用意ください。
安全ピンやシャープペンシルの先端でもと思う方もいらっしゃるでしょうが、先端が金属で出来ているものや鋭利なモノの場合、ボタンを押し損ねると時計本体に傷を付けてしまう事があります。
ちなみに付属するブランド純正の調整ピンも先端が金属の場合があるので、専用ピンが有る場合でも爪楊枝で代用する事を推奨します。
爪楊枝は先端は尖っているものの、素材は木ですし固すぎる事も無いので傷が付く事はほぼありませんので、爪楊枝をお勧め致します!
月の状況を確認するホームページ
次に月齢の状況を確認するためのホームページなどで、合わせたい日の月齢の状況を知る必要があります。
天気予報サイトや新聞の天気予報欄などに満月から何日目などと書かれている事がありますが、少々解り難いので私は昔からこちらのサイトを利用しています。
URLはコチラです 👉 http://koyomi8.com/moonage.html
時計を止める事無く常に使い続けていれば基本的にはあっていますが、止まった時に合わせ直すこともあるのでブックマークしておくと便利ですよ。
ムーンフェイズの合わせ方
下準備はできたので、本題の合わせ方に入ります。
合わせたい日の月相を確認する
まず第一に月齢を合わせるためには、合わせたい日の月の相を知る必要がありますので、先に紹介したホームページをご覧ください。
今回はブログ執筆日である2023年10月19日で合わせますので、その直前の新月か満月が何日かをみてみると、と10月15日が新月ですのでこの日を覚えておきます。
時計の時刻表示を日中(昼)の時間帯に回し進める
リュウズを引き出し針を回し進め日付や月齢が変わったのを確認したら、そのまま針を回し進め日中の時間帯に合わせてください。詳細な時刻は気にする必要はありませんが、午前7時~午後4時くらいまでで良いでしょう。
参考の時計では10時10分に合わせています。
なぜこの時間帯に合わせるかというのは、次の項目で説明します。
ムーンフェイズ表示を新月か満月に合わせる
満月か新月の日を確認したら、ムーンフェイズの表示を新月か満月に合わせます。
参考とするモデルの場合は調製用のボタンはケースの両側面に付いており、右側が日付用、左側が月齢用になります。
お手持ちのお時計でどのボタンがどの機構の調製となるかは、付属の説明書や各ブランド公式ページなどでご確認ください。もしそれでもわからない場合は各ブランドのサービスセンターなどで教えて頂けます。
今回は新月に合わせるので、左側面にあるボタンをゆっくり確実に押して丸い月が完全に隠れた状態にしてください。
素早く押し込むのではなく、確実に押し込む、ボタンが完全に戻ったら押し込むようにする様にしてください。
月の表示が完全に隠れた状態ですので、時計は新月を表示している事になります。
もし満月に合わせる場合には、月の表示が丁度中央に来るようにします。
※※操作禁止時間帯に注意※※
コレクターボタンを押して調整する際、多くの時計には操作禁止時間帯があり、夜8時位~朝4時位は操作は禁止されており、月齢はもちろん日付も含め全ての機能の調整は行わないでください。
禁止時間帯には、時計内部で日付や月齢の切り替えを行っているので、その時間帯に無理に操作をするとその機構を壊してしまう事になりかねません。
よって調整などを行う場合は、合わせたい時計が前述以外を時間帯を表示している場合に行ってください。
ムーンフェイズ表示を合わせたい日の月相に合わせる
前項で月相を15日の新月に合わせているので、その翌日の16日を含めて合わせたい日の19日までの日数分だけコレクターボタンを押します。
16、17,18、19日なので4回ボタンを押し、月が少し見えた状態に表示されている事になります。新月から4日目の状態になります。
日付が新月の日である15日に合っていますが、ここで日付を合わせておく必要はありません。
日付を合わせる
ムーンフェイズは新月から4日経過した状態に合わせているので、次に合わせたい19日の日付が表示されるまでケース右側のボタンを押します。
これで月齢表示は新月から4日目、日付表示は19日に合わせているので、月齢と日付が同期している状態です。
リュウズ操作などで時刻を合わせる
月齢と日付を合わせ終わったら、リュウズを操作し合わせている時間に調整するだけで全ての調整は完了です。
これで時刻、月齢、日付を合わせ終わり、全ての機能が同期している事になります。
曜日表示が有る場合は、日付を合わせた時のタイミングで合わせておく様にしてください。
時刻合わせの注意点
時刻を合わせる際ですが、午前と午後を間違えないようにしてください。合わせ間違うと、日付や月齢が深夜に変わらず、お昼の12時に変わってしまいます。
その様な事を無くしたいのであれば、合わせるたい日の前日の18日に月齢と日付を合わせた後、19日の合わせたい時刻まで針を回し進めるというのも一つです。
大小の月の合わせ方
1月や3月の様に31日まである大の月、4月や6月の様に30日まで、2月の様に28日か29日までしかない小の月が有りますよね。
2、4,6、9、11月(ニシムクサムライ)が小の月で、それ以外は大の月です。
永久(パーペチュアル)カレンダーや年次(アニュアル)カレンダーは、日付や月齢を自動で調整し変更してくれますが、それらの機能が無い場合は手動で調整が必要となります。
6月30日から7月1日に変わった場合は、調整用の日付けボタンを31日~1日と2回押すか、リュウズで24時間分だけ針を回しするめるようにしてください。
※調整するのは日付や曜日のみで、ムーンフェイズは1日ずつ進むので調整の必要はありません。
※アニュアルカレンダーは2月28日か29日から3月1日に切り替わる時のみ、手動での日付の調整が必要です。
ちなみに
ジャガールクルトのレベルソにはムーンフェイズが2つ有る?
と思いますが、3~6時側にあるのがムーンフェイズで、12~3時にあるのはサンムーンという機能で、昼夜を判別できる機能です。
枠の上にはJOUR % NUITと書かれていますが、JOUR(ジュール)=日、NUIT(ニュイ)=夜という意味です。
ちなみに、ここでフランス語のお勉強!昼間の挨拶は『BONJOUR(ボンジュール)=おはよう、こんにちわ』とJOURが昼=日を意味するのが解りますが、夜の挨拶はNUIT(ニュイ)ではなく『BONSOIR(ボンソワール)=こんばんは』です。
夜を意味するNUIT(ニュイ)じゃないの?と思うでしょうが、『BONNE NUIT(ボンニュイ)=おやすみなさい』となるんです!
このレベルソの他にもゼニスのエルプリメロ クロノマスター グランドデイト ムーン&サンフェイズなども、同じように昼夜を判別できる機能が付いています。
こちらは太陽が顔を出しているので日中なので、時計は午前11時59分を指しています。
こちらは星が出ているので夜の午後11時14分を指しています。
下の写真では星が見えているので、午後9時14分頃を指していますね。
このサンムーンの様に午前と午後が目視で解る機能が付いている時計の場合は、星が見えている時間帯は各機能の調整をしてはいけない時間帯と覚えておくと解りやすいですね!
最後に
時計の使い方ムーンフェイズ編はいかがでしたでしょうか。
文章にすると書くのも読むのもややこしく、かなり難しく面倒に感じてしまいますが、実際に合わせてみるとそこまで難しい訳ではありません。
注意すべきは、とにかく操作(調整)してはいけない禁止時間帯があるので、必ずこの時間帯を避けて調整を行なうという事です!
ブライトリングのB01やロレックスの最新ムーブメントなどは、禁止時間帯が無くいつ日付を変えても良いムーブメントもございます。
永久カレンダーやアニュアルカレンダーなども、慣れてしまえば結構簡単なんですよね。
永久カレンダーの合わせ方は、また別の機械にご紹介させて頂きますね。
正しい使い方を覚えて、楽しい時計ライフをお過ごしくださいね!
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この記事の監修者

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好みの時計:ダイヤモンドが多くセットされているゴージャスな時計
1971年11月11日産まれ
東京都中野区出身
業界歴:24年
22歳イベント企画会社入社。
その後、総合商社に総合職で入社、平日は経理、土日祝は地方営業。
その後、学生時代の知人に頼まれ厨房設備の運搬設置業に携わる。
2001年、某有名店社長と出会い、時計業界に誘われる。
2007年に独立し、現在に至る。
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